イチローと松井秀喜のコミュニケーションの違い

イチローと松井の対話の考察

イチローと松井秀喜は平成を代表するプロ野球選手です。
今回は2人の偉大なプロ野球選手の貴重な対談映像から、関係性やコミュニケーションの特徴に焦点を当て、考察します。

イチローと松井、は2人とも海を渡りメジャーリーグという世界最高の野球リーグで成功を収めました。
しかし、彼らの考え方(野球、私生活、メディア対応)やコミュニケーションの取り方には大きな差異があります。

イチローと松井という全く違うコミュニケーション姿勢を持つ両者が対峙した時、その違いがどういったものかを明らかにします。

実際に、2人が対談する映像はすごく貴重な映像です。
その映像内で見せる2人の仕草までも考察の範囲に入れていきたい。

イチローと松井秀喜の経歴

イチローの経歴

イチローは、1973年愛知県生まれです。
1992年、愛工大名電高校を経てオリックスに入団。

2001年シアトルマリナーズに入団し、メジャー挑戦を果たします。
2019年に現役引退に到るまで、メジャーリーグで様々な記録を残しました。

主な実績は、NPBで初の200本安打、メジャーでの最多安打記録など、輝かしい実績です。
日米を代表するヒットメーカーとしての地位を確立しました。

イチローとメディアの関係

イチローとメディアの関係は、非常にシンプルです。

彼は、常にメディアと一定の距離を取って接しています。
試合後のインタビューでは、インタビュアーの気に入らない質問には応じません。

気が立つとメディア関係者すべてを追い払うこともあります。

イチローの交友関係

気難しそうなイチローだが、交友関係では義理堅いことで知られています。
知人の誕生日には、大事な試合の前後でもメールで連絡を入れるそうです。

一度心を通じ合わせた人に対しては気遣いを忘れない人柄です。
イチローのコミュニケーションは、よく言えばハッキリとした人格。
悪く言えば、空気が読まないのが特徴です。

時に子どものように人を楽しませ、時に気難しい顔を覗かせる一面を持ちます。

松井秀喜の経歴

松井秀喜は、1974年石川県生まれです。

1993年星稜高校を経て、読売ジャイアンツに入団。
2003年メジャー屈指の名門チームであるヤンキースに入団します。

2012年に現役引退後、現在は、古巣ヤンキースで特別GMに就いています。
主な実績はヤンキースでのワールドチャンピオン獲得。
そのワールドシリーズではシリーズMVPも獲得しています。

OPSといわれる、出塁率と長打率か計る指標では、メジャーで活躍した日本人野手の中で常にトップです。

松井とメディアの関係

松井とメディアの関係は、イチローとは全く反対です。

彼は、ロッカールームでの取材に対して、松井専用のインタビューポイントを設置する厚遇です。
これは日本のメディアがチームメイトに迷惑を掛けることを嫌う彼の心遣いが表れています。

松井はメディアの質問が尽きるまで対応に付き合うこともありました。

松井のコミュニケーション

松井のコミュニケーションに代表されるのは、ずばり紳士さです。
いつ、いかなる時も、その体の大きさとは、異なる器の大きさを感じます。

多くの人が松井に対して、紳士としての、印象を抱くのは自然と頷けます。

イチローと松井の関係

イチローと松井の関係は、アマチュア時代まで遡ります。

中学から互いの存在を把握していました。
当時、イチローは中学3年生、松井は2年生でした。

そこから高校、プロと同じ時代に生まれてきた2人の天才をメディアやファンは常に比較しました。

その比較を本人達は気にしていないと言及しています。
しかし、2人の仲はプライベートで親交を深めるレベルではありません。

会話の中には、イチローの独創性と松井の器量の大きさが垣間見ることができる。
それでは、会話の分析に入ります。

イチローと松井秀喜の会話

2人の出会い

2人の対談は出会いと高校時代の貴重なエピソードトークから始まります。
イチローがいきなり松井に切り込み、松井はドンと受ける格好です。

イチロー(以後イ):「変わってないね、そういう(謙虚な)感じ、本当にそう思ってんの?テレビで見てて『ホントかこいつ~』っていうのは結構あるね
松井(以後松):「いや、ほんとに思ってますよ

最初の場面はイチローのコミュニケーションを表す上で、顕著な特徴が2つ認められます。

1つ目はイチローは学年が下の松井をいじるという姿勢。
2つ目は相手が嫌だと思う部分も自分が聞きたければ、聞くという姿勢。

松井の好青年ぶりを「いじりたい気持ち」、「猫を被っているのかという猜疑心(好奇心)」がイチローから伺えます。

女性の話題

次に話題は、女性の話題へ。
既婚者のイチローは、独身の松井(当時)に対して、結婚を勧めます。

会話の中で、イチローは松井に鋭く噛みつきます。
そこの松井の表情や言動を考察した。

イ「(結婚)しようよ、そりゃいいよ

松「そりゃあいいと思いますよ。ね~

イ「そう言って、気持ちがやっぱり違う

松「気持ちの違いはね。野球にはプラスになる気がします

イ「いや、野球にはじゃないよ。それ以外にもプラスになるって

イ&松「(共に笑う)」

イ「気をつけようよ、言葉にはさぁ

松「(笑いながら)にも

第三者としては、非常にひりひりとするシーンです。

結婚の話では、イチローが一方的に松井に結婚を推し進めます。
イチローの勧めをやんわりと避けていた松井は、まさに地雷を踏みます。

確かに、松井の発言は既婚者(愛妻家)のイチローにとっては失礼に捉えられます。
カメラに囲まれて、第三者がいる中でもイチローの詰問は変わりません。

その直後に「気をつけようよ、言葉にはさ」と付け加えます。
この一言は、融和を求める人としての振る舞いとは異なります。

スルーしても良い所でも自分の考えと逸れた時にはイチローは間髪入れず、指摘します。

松井の凄さ

このイチローの指摘に対する松井の対応にも着目できる点があります。

対談の場で、このような詰問には、窮する表情や言動を漏らしてしまうだろう。
しかし、松井は平然と笑って受け答えをする。

見てるこちらがヒリヒリとする空気でも松井は笑って受け答え出来ます。

その笑いは変に場を逃れようとするものではありません。
しっかりとイチローの指摘を受け止めた上での笑いです。

このような仕草からも松井のコミュニケーションの上手さが感じ取れます。

野球とストレス

野球のストレスをどのように発散するかという話題へ移ります。

イチローは野球のストレスをある程度溜め込むと語ります。
そのストレスと付き合いながら、野球以外で吐き出すというスタイルです。

それに対して、松井は野球のストレスは野球で発散すると語ります。
野球へ取り組むスタイルでも双方の考え方は食い違います。

この違いに対してもイチローは松井に対して鋭く突っ込みを入れます。

イ「自分の中だけで(ストレス)バランス取るわけだから、(松井)苦しよいね。背負っちゃって、忘れることも難しいだろうし

松「うーん、かもしれないですね。でも、そこまで苦しくないんですよね

イ「無神経?

松「悪く言ったらそうかもしれないですね

イ「でも良く作用してるんだね

この場面もイチローのはっきりとした物言いには、ひやひやするものがあります。
イチローの「無神経?」と真顔で聞く姿は、悪口にしか聞こえません。

イチローは、松井に対して敵意を持って発した言葉ではないとは思えます。
それでもこのような発言に至るところが、イチローらしさといえます。

松井の対応は際立って巧い返しをします。
声のトーンとリズムで怒りという感情を相手に与えません。

そして、悪く言えば」という言葉をつけ加えることで、相手の失礼さと自分の怒りの感情に、上手く落としどころを見つけている返しだと考察できます。

まとめ

今回の3つの場面の考察では、「失礼」なイチローと「紳士」な松井という構図になります。
しかし、その中身はそう単純に答えが出来るものではありません。

イチローのコミュニケーションは常に軸と照らし合わせ、相手が違う意見を持つ時には、容赦なく対立構図を作ります。
一方、松井は相手と自分の関係を意識した上で、相手の意見を受け入れるコミュニケーションの特徴が見て取れます。

超一流といわれる成功者においても、そのコミュニケーションの軸に全くの差異があることが認められました。
イチロータイプと松井タイプで分けることができるのならば、どちらのタイプが成功者としての割合が多いのか気になるところです。

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