本格派ミステリードラマ 『白夜行』

今回は本格ミステリー国内ドラマは『白夜行』です。
個人的には平成でも屈指の名作だと思います。

原作とは、違うテイストですが、ドラマとして完全に成立しています。
ハラハラドキドキの展開ナイーブな内情切ない情景
どれをとってもベストドラマです。

放送は2006年、TBS系列のドラマです。
原作は東野圭吾さんのミステリー長編小説です。

原作は、ドラマ放送以降、急激に売上を伸ばしました。
今では200万部を突破する大ベストセラー作品です。

 

『白夜行』ざっくりあらすじ

『白夜行』
没入感
(5.0)
メッセージ
(4.5)
屈折度
(5.0)
総合評価
(5.0)
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主人公は桐原享司と唐沢雪穂。
この2人の屈折した愛の軌跡を描く作品。

物語は、彼らが小学生の頃から始まる。

享司と雪穂の家庭環境

享司の家庭は、父親が事業を営んでおり、一般家庭。
母親は、丁稚奉公している店員の松浦と不倫していた。

享司は母親の不貞に気づき、家庭内の不和に嫌悪していた。

そんな中、享司が通う図書館にて、同級生の雪穂に出会う。

雪穂は母子家庭で、母親がネグレクトを行う劣悪な環境であった。

共に、恵まれない家庭環境で育った2人は、共鳴するものを覚えて小さな恋を生むのであった。

雪穂への性的虐待

不遇な家庭環境で育つ雪穂であったが、彼女の身に更なる脅威が迫る。
生活苦を理由に、身売りをしていた母親により、彼女も売春行為を強要される。

雨の日のある日。
享司の遊び場であった建設途中の雑居ビルに雪穂が入っていく姿を見つける。

雪穂はまた性的虐待を受けようとしていた。
享司はその現場を目撃する、するとそこには、雪穂を襲う享司の父親がいた。

雪穂の母親は、享司の父親から身を売り、借金をしていた。
そして、享司の父親は雪穂に手を出すのであった。

繰り返す殺人

父親の衝撃的な光景を目の当たりにした享司は、咄嗟に父親をハサミで刺す。
雪穂を守ろうとした享司の行動で、享司の父親は絶命した。

雪穂は自分を庇い、父親を殺した享司の行動に覚悟を決める。
雪穂は享司にこの事件を隠し通すことを誓った。

翌日、享司の父親の殺人事件は、警察の捜査対象となる。
担当刑事の笹垣は、初動捜査からこの事件に違和感を覚えた。

一方で、雪穂の母親は、“享司の父親殺し”という雪穂たちの罪を警察に打ち明けようとする。
母親の告発を恐れた雪穂は、自分の母親を殺害する

初めてついた嘘

殺人捜査に動き始めた警察の網を享司と雪穂は見事に逃れる。
しかし、笹垣だけは2人の怪しげな挙動に気付く。

笹垣は、雪穂に対して、「なんか言うことないんか?嘘に嘘を重ねると取り返しがつかなくなるど」と詰問する。
それでも、雪穂は嘘をつき続けることで捜査の手から逃れます。

そして、雪穂は享司と別れ、2人は“殺人”という心の枷を背負い生きていく。

 

身寄りのない雪穂は、養護施設に預けられる。
そして、その後、裕福な養母に引き取られ、お嬢様学校に通う。

一方で、享司は、母親の元不倫相手である松浦の手先となる
松浦は、管理売春の元締めを行っています。

突然の再開

高校生になり、お互いが別々の道を歩む享司と雪穂。
享司と雪穂は、それぞれが過去の事件に囚われていく。

享司は、“殺人事件”の第1発見者である菊池にゆすられる。
享司はこのゆすりによって、過去の事件が明るみに出るのを恐れる。

西村から唐沢に改名していた雪穂は、同級生の藤村都子による陰湿ないじめを受け、過去の出来事などの脅しを受けた。

雪穂が、いじめに苦しむ中、2人は偶然再会する。
この再開をきっかけで、事件の歯車がもう一度動き始める。

享司と雪穂はお互いの置かれた状況、過去の事件を乗り越えるために再び、結託する。

繰り返される犯行

享司は、ゆすりを掛けられていた菊池を貶めるため。
雪穂は、いじめの首謀者である藤村を貶めるために犯行を犯す。

その犯罪は、享司が藤村をレイプし、その罪を菊池に被せるという計画。
犯行は冷徹に行われ、菊池はレイプ犯として、捕まり、藤村は犯行の後遺症を追う。

結果として、菊池のゆすりと雪穂へのいじめは止むが、過去の殺人事件の痕跡を残すこととなる。

笹垣の登場

享司が、藤村を襲ったことにより事態は収束するかに思えた。
しかし、ここで過去の殺人事件への捜査を独断で進める笹垣が享司と雪穂の前に再び登場する。

笹垣は、藤村のレイプ事件と雪穂の接点に勘づく。
笹垣は、執拗な捜査を続けて、享司と雪穂を追い詰めていく。

雪穂は早くから笹垣の存在に危機感を抱く。
2人は、笹垣から逃れるために更に、罪を重ねていくことになる。

転&結
転&結はご自身でお確かめ下さい

『白夜行』のここが凄い!

名演の連続

白夜行は脚本もさることながら、それを演じる役者が凄いです。

山田孝之と綾瀬はるかは、『世界の中心で愛を叫ぶ』から2年後のタッグです。
前作より、シリアスかつヒールな役どころですが、しっかりと演じられています。

山田は、心の優しさと寂寞な闇を抱える青年を見事に演じます。
綾瀬は、物語の中盤から終盤にかけて、心が亡くなっていく演技は見事です。

 

圧倒的な屈折感

嘘を上塗りして、罪を重ねていく享司と雪穂。
2人に課された試練は、重い十字架となり、圧し掛かります。

行き場のない情念は、人間を簡単に押しつぶします。
不平等の怒りを神にぶつけ、罪のない安らかなものに憎悪します。

憎しみはあてのない方向へ流れ、姿かたちを変えます。

他人も自分自身さえも信じることのできない灰色な世界を佇みます。

享司と雪穂の歪んだ心は、2人にしか埋め合わせることが出来ません。
嘘に嘘を重ねて、罪を繰り返しす2人に待つ結末はあまりにも儚いものです。

 

『白夜行』の登場人物

主人公

桐原 亮司:演-山田孝之

物語の主人公の1人です。
心優しき、聡明な青年ですが、屈折した過去に囚われます。
父親が性的犯罪者、母親は不倫に溺れる家庭環境です。

死亡届を出し、無戸籍として、数多くの犯罪に加担。
雪穂のことを影の世界から守ることを自身の宿命としています。

『風と共に去りぬ』のレット・バトラーのように雪穂を支えることを誓います。

 

唐沢雪穂:演-綾瀬はるか

物語の主人公の1人です。
酒浸りのシングルマザーに売春を強要されます。
幼い頃から性的虐待を受けて育ち、心に明かない闇を巣くいます。

全うに生きたいという想いと、幸せな他者を踏みにじりたいという歪んだ感情を持ち合わせています。

『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラの生き様に憧れ、強く生きることを誓います。

 

主要人物

笹原:演-武田鉄矢

享司と雪穂の事件を追う刑事です。
物語最大の敵役です。狂信的なまでに、享司と雪穂を追い詰めていく。

享司と雪穂を追う過程で、彼らが生きる歪な世界への同情とそれを止めれなかった自責の念に駆られます。
笹原もまた、心の中に歪な感情を形成しています。

 

松浦:演-渡部篤郎

享司の母親の不倫相手。享司の父親が死んだ事件の真相を知る人間。
事件の真相を利用し、享司の弱みを握ります。

物語では、終始に渡って、嫌悪感を抱きます。

享司を手駒のように扱いますが、どこか享司を気遣う一面もあります。
松浦の出自に、享司への想いが重なることになります。

 

栗原典子:演-西田尚美

物語後半の所要人物。
過食症を患い精神不安定な一面を見せます。

それでも、享司への一心な想いによって、彼の心の扉を少しだけ開かせます。
享司が遺した子供を産み、物語に唯一の光明をもたらす存在。

 

桐原弥生子:演-麻生祐未

享司の母。不倫に溺れ、夫の死去後はスナックを営む。
終始、目は虚ろで、酒とタバコが手離れない。

享司が死亡届を提出すると、母としての母性に駆られ、自責する。
その後は、享司の影を追い続けるも、酒に溺れ、気を病んでしまう。

当初、敵対していた笹原に諭されるも立ち治ることは出来ない。

 

唐沢礼子:演-八千草薫

雪穂の義母。華道の師範を務める。

雪穂に巣くう闇を事あるごとに救おうと試みるも、次第に雪穂と距離が離れてしまう。
最期まで、雪穂に「自分に正直になること」を説得する。

 

結論

名作中の名作です。
ただ、憂鬱な展開が終始続くので注意です。
メンタル面での気持ち明るくなる補充作品を用意しときましょう!

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