歌には本物と紛い物がある『アリー/スター誕生』をレビュー

話題作『アリー/スター誕生』の試写会に行ったのでレビューします。

主演はレディー・ガガブラッドリー・クーパー
クーパーは監督も務めました。

アカデミー賞最有力候補です。
直近映画では『グレイテストショーマン』、『ラ・ラ・ランド』が意識されます。
『ボヘミアンラプソディー』とも近しいものがあります。
→こてこてなミュージカル映画ではない

『アリー/スター誕生』
没入感
(4.5)
メッセージ
(5.0)
お勧め
(5.0)
総合評価
(5.0)

あらすじ+レビュー

起:シンデレラストーリー

歌手を夢見るアリーは自信をなくし、うだつが上がらない生活を送る。

ある日、アリーがライブを行う街のバーに有名ミュージシャンが訪れる。
彼の名は、ジャクソン(ジャック)。
ジャックは寂れたバーで輝くアリーの姿に魅了される。

アリーはジャックに見出され、ミュージシャンとして駆け上がる

レビュー

冒頭は百凡のシンデレラストーリー映画。

ただ、ゲイバーでフランス語(たぶん)の曲を歌うガガは圧巻
最序盤はストーリーは凡で、ガガの個性を魅せる映画かなと思います。

焦れることなく、直ぐに没入するので安心を!

転:スターダムを駆け上がる

ジャックはアリーの才能に惚れこみ、彼女をステージへ上げる。
アリーの才能は突出し、徐々に彼女もスターへの階段を登り始める。

公私に渡り二人が最高のパートナーである時間が続く

その後、スターダムを駆け上がるアリー、ジャックに忍び寄る病魔の陰。
アリーは、売れるために自らの姿を失い、ジャックとの間に溝ができる

レビュー

前半はガガとブラッドリー・クーパーの歌に終始釘付けになります
ロックの渋さとガガの素敵な歌声にやられます。

ジャックとアリーが心を通わしていく様
アリーがショーアップされていくジャック悲哀
ジャックの孤独

中盤に入るまでには、もうすっかり没入していきます。
徐々に百凡のシンデレラストーリーが名作へと駆け上がり始めます

中盤から終盤へ

ネタバレはしません。
どうか劇場で!

ラストシーンは映画史に残るシーンです。

最初はシンデレラストーリーものと思っていました。
しかし、ラストに至るまで色々と思索し、逡巡します。

気づいたら、涙腺は崩壊し、視聴後は喪失感に見舞われました。

商業映画ですが、どこか社会へのテーゼも感じます
お世辞抜きで名作です。

 

ここが凄い 見所3つをピックアップ

表現力とは

本作では、表現力を学びました。
歌には本物と紛い物がある」という最大の学びを得ました。

そして、その線引きは聴き手が決めるということです。

本作では、歌の定義、言葉の表現に焦点を当てます。
2時間超の本編で、本物と紛いを炙り出します。

芸術とエンターテインメントの線引きをこの映画で再考しました。

そして、その定義はやはり「魂を削っているか?
→ジャックがアリーにかけた言葉です。

主人公のアリーは、ある出来事で魂を削ります。
そして、それが感動のラストシーンへ繋がります。

歌だけでなく、表現する人間には、常に魂を削り続ける必要があります。
深く染み込まれた言葉で、痺れたフレーズです

才能の悲哀

才能は孤独と切なさの中にあるのだと知りました
それを表現したブラッドリー・クーパーもまた天才でしょう。

ジャックは才能あるが故に悩み、苦しみます。
誰しもが理解できない次元に一人佇みます。

唯一、巡り会えた才能の種も俗臭に毒されていきます。

才能の種と二人だけの世界を築くのか。
彼女を才能の崖に連れ込むのか。

天才の孤独の一端を垣間見ることが出来ます。

 

ガガのラストシーン

ガガのラストステージは痺れます。
ショーアップされてきた自分を捨て、本当の姿を取り戻します。

当世最大の歌姫、レディーガガの本気は鳥肌です。

その姿を手に入れるための苦悩、葛藤がスクリーン越しに伝わります。
大切な人から大切なことを改めて、感じます。

人が人を変えることは出来ません。
しかし、稀に愛が全てを超越し、時に自分の道しるべを指差します。

ただの純愛でもなく、ただのシンデレラストーリーではありません
ガガのラストシーンは苦悩、悲哀、失墜、偏愛、同情、多くの感情を与えてくれます。

間違いなく映画史に残るワンシーンです。

 

感想

最後は日本語字幕を見ずにも泣けます。
本気で英語を勉強したくなりました。

ぽろぽろと涙を流していたら、隣の席の中年男性も泣いていました。
女性のすすり泣く声も聞こえてきました。

近年の洋画では間違いなく№1です。

『ラ・ラ・ランド』より人を選ばすに楽しめます。
キーラナイトレイ主演の『はじまりのうた』の上位互換です。

ガガの演技は歌唱力でカバーするスタイルです。
→歌唱シーンはガガでしか成立しない役で、鳥肌ものです
ブラッドリー・クーパーは名演です。

 

最後に悲しく批評

物語の前半戦は、ある程度考える時間がありました。
ガガとブラッドリー・クーパーの歌に魅了されながら、ぼんやり考え事。

先週TVでやっていた歌特番を思い出しました。
アイドルのごり押し。口パク&口パク。

「これで視聴率が取れるのだからしょうがない」と日本のポップミュージックのレベルの低さにげんなりします。

ただ、「本物は必ず生き残る」が僕のモットーです。
現に、本物のライブシーンには、人が集まっています。

中途半端な紛い物は、時代とともに淘汰されます。
本質を見据えて、魂を削り続ける人生を歩むのを結びとします。

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